成島秀和(こゆび侍)
演出家
1982年3月9日静岡県生まれ。会津大学コンピュータ理工学部卒業。
小学校2年のときに宿題で出た「うそ日記」をきっかけに物語を書き始め、高校入学直前に、舞台ならそれが現実になるかもしれないと思い立ち演劇を始めて、今に至る。
独特でユニークな世界観の物語と、詩的な瞬間を見つけてつくり出す演出が特徴。
毎回座組の特徴を意識した作品づくりを心掛け、小劇場からお笑い芝居まで、幅広く手がけている。
この企画の話をもらった時
僕にとって、倉持さん世代の方々は演劇の楽しさを教えてくれた憧れの存在なので、こんなすごい作品があるんだよってこと、今のお客様に伝えられる機会を頂けたのは嬉しかったです。
初演を観ていることもあって、ぼくもとさんを始めとした強烈な個性の俳優さんたちの印象に、今回の俳優さんたちがどう挑んでいくのか、印象をどう塗り替えていくのかっていうのもワクワクしたし、それはもちろん演出家としても、です。
ひとつ不安に思っていたのは、この企画、誰に見てもらいたくて、誰を喜ばせたり驚かせたくて在るんだろうということが分かりづらいなあってことでした。もちろんどの作品に関わるときもクオリティは抜群に良いものにする、ってことは前提にあるんだけど、今回は、その、作品を見ているお客様の顔を想像しづらい、というか、、。ただ、それは、僕の今回の作品づくりの肝を、この作品を観ているお客様の顔をイメージすることだぞって定めたら、いつしかそれがこの戯曲のテーマに繋がっていって、今は解決してますご安心ください。
最後に、お話を頂いたタイミングの話になるんですが、ちょうど、活動休止直後のカムヰヤッセンの北川さんとお話をしたあとのことで、僕が「いろいろ仕切り直して、僕はこれから自分の劇団(こゆび侍)頑張ろうと思う」ってことを伝え、北川さんから応援の言葉を頂いたあとなんですね。なので、カムヰヤッセンのメンバーがやる企画ならば喜んでお力添えする! って、いうようなことも思っていました。
稽古をしてみて
どんどん俳優たちが羽化していて、それを見ているだけでも楽しいのですが、この作品を、「存在の不確かさ」という感覚の共有・共振を、お客様に体感してもらうためのアトラクションにする、という僕の試みにも着実に近づけているので、そうですね、やっぱり、楽しいです。
この作品に取り組むにあたって
僕が俳優たちに求めているのは、どのような設定や世界観であっても、その世界で生きているということの、確かさ、です。それは、今回のような不条理な世界観ならば尚更こだわりたい。
その確かさがあれば、倉持さんが10年以上前に書いたこの戯曲が、今回集まったメンバーのために書かれたものはんじゃないかって錯覚を起こさせることができるはずだし、そうなってきていると思います。
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